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Archive of entries posted on 7月 2011

課題2 発表+レビュー

関東学院大学工学部建築学科・授業ブログ_建築設計製図3
課題2の図面(設計図書)の提出が行われて敷地Aから2案、敷地Bから3案をピックアップし、各案ごとに発表とレビューが行われました。

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柴侑里 ”つながる家” (敷地A)

20年後の家ということで、自分が所属するジャズ研究部がOBとしてもつながりを持てるようにジャズバーを+αした家を計画した。鉄筋コンクリート壁式構造5階建て。
自分の友達がジャズバーで演奏していれば、上階の自分の家に聞こえてくるし、降りてセッションもできる。またジャズ研の拠り所として学生も集まり活動すれば自然とOBとの繋がりもできるということでタイトルを「つながる家」とした。また、ジャズバーでの演奏がどの場所からも聞くことができるようにスキップフロアで壁の無い計画をした。住宅部分は外部階段より2階からアプローチし、2階にバスルームなど水廻りがあり、3階にキッチン、ダイニングとジャズバーの見えるリビングを配置、4階を介して5階の夫婦寝室と子供室がそれぞれスキップフロアで配置している。敷地Aを選んだ理由は、Bは住宅街で音の問題もあり、海の前で演奏できたら気持ちよいと考えたため。道路(北)側には、生活の雰囲気を隠すようにルーバーを配し、海(南)側は海を背景に演奏することを考えた。(参考:前回の模型提出+レビュー)

・道路側と海側のそれぞれの異なる特徴を持つ敷地において、どのようなことをやろうとしているのかよくわかる案で、またジャズバーの音が家全体に響き渡ることをイメージしていることも魅力あり、こうしたことが断面図で表現されているのがよくわかる。吹抜けの空間を介してジャズの音楽と暮らしの楽しさが混ざり合うことを意図した図面表現になっており、計画として結実していることに好感が持てる。計画したことをどのように実現したらよいのか、頭で思い描いたことをどのように建築にしたらよいのかを一生懸命に導き出した案で良いと思う。
・図面が弱い。線が薄くて読みづらいのが残念。
・+αの用途において、案に家に付け足し程度の案が多い中、この案は、まずのジャズと演奏する友人がいて、その考えが建物全体の計画に行き渡っている魅力ある案で、形にも反映されている。図面を頑張って欲しい。
・この建物の構造はヴォイドラーメン構造になるが、この構造の形式を上手に利用して、スラブからスラブまで開口いっぱいに取ることができるなど構造の特性を十分に生かした良い案。
・コントラストの無い図面表現で残念。紙が薄いからではないだろうか。
・これだけの大きなガラス面を設けた場合、普通のサッシでは構造的にもたないので、ガラスを支えるためのトラスなどが必要である。
・模型写真が上手に取れているが、バーの賑わいなどが表現されていないのが残念。
・ジャズが演奏されるシチュエーションを大事にして、それらを言葉ではなくて模型写真やパースなどのイメージとして表現した方が伝わりやすく良い。
・図面の描き方は、壁を塗ったり、インキングするなどちょっとしたテクニカルな手法を知れば、比較的容易にわかりやすい図面が描けるようになるので工夫して欲しい。
・各階平面図も床にテクチュアを入れるなどすると何処が吹抜けでスキップしたフロアなのか違いがわかりやすくなる。

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高野和樹 ”海の見える家” (敷地A)

1階の自転車ためのスペースを+αにした5階建の鉄筋コンクリート造。1、2階の吹抜け空間と、タイトルにもあるように5階の畳のある和室から海が見える事を意識し、また、観環居のようにテラスを張り出すことで夏の陽射しに対しても配慮した。また、斜めの出窓にすることで、東側はマンションからの視線を遮ながら南側の海の景色と光を取り入れ、西側は西日に配慮している。(参考:前回の模型提出+レビュー)

・玄関までのアプローチの表現がよくわからない。
・水廻りが整理されていない。3、4階の出窓はウィンドキャッチャーとしても機能するが、建物に取り込まれた風が上手に抜けていかないのでは。
・断面図も立面図もやろうとしていることがよくわかる魅力的な図面だが、図面密度をもう少しあげて欲しい。
・設計図書に加えてスケッチブックも添付されているなど建物に対して情熱的に取り組んでいるのがよくわかる案。
・1階の使われ方が、例えば広い土間空間になっていて自転車も置けて子供も泥んこのまま遊べたりしていても良かったのではないだろうか。
・1,2階や5階の和室のことをよく考えている一方で、3、4階のプランが整理できていない。もう少しチャレンジしてもよかった。断面図でも、1、2階は様々なアクティビティがおきそうな図になっているし、最上階の和室も過ごし方がイメージしやすい図になっている一方で、3,4階の表現が単に区切られているだけに見える。自分だけでなく、他の人が見てもわかりやすい工夫をしていくともっとよくなる。
・外壁の素材感などイメージしているのがよくわかる。
・前回指摘されていた玄関までのアプローチの敷地の使われ方が消極的でわかりづらい。
・5階の柱を支える梁がない。このような時は柱を5階まで斜めに配置する方法でもよい。
・風の取り方、庇の使い方など環境に対する配慮があってよかった。
・20年後の自分の家に対する個人的なアイディアをきちんと表現したところに好感が持てたが、1階のスペースのあり方が曖昧な感じを受けた。
・外壁が黒色だが、外観を決める上で建物の色彩はポイントで、素材の選び方も重要である。
・プログラムとして+αの空間を、自転車の修理や展示スペースにするなど、もう少し積極的に人をひきつけるような可能性を持った場所にすることを意識して取り組んでもよかった。
・タイトルにも「海が見える家」とあるが、この建物から見える海がどんな風景なのかがわかる絵がが無い。内観パースで表現してもよかった。

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苅込真未 ”SAKURA BAKERY” (敷地B)

1F南側にパン屋と2-4階に住宅を配置した、鉄筋コンクリート造4階建ての案。角地でもあるので、お店へのアプローチとエントランスが広く取れるように建物の角を曲面とした。また、2階リビングに階段と一体になった大きな吹抜け空間を持たせることで、3階の子供達とコミュニケーションのとりやすい空間となるようにした。
(参考:前回の模型提出+レビュー)

・南側は開放的なことを工夫しているが、北側立面図など閉鎖的でプランもつまった感じがする。
・タイトルが「SAKURA VAKARY」であるが、建物と桜並木との関係が希薄ではないだろうか。
・プランニングにおいて、階段の位置を東側に配置することで曲面の壁がリビングからダイニングへとスペース的に強調できたのかもしれない。 また、もっと階段スペースをオープンにすることでサクラを感じることのできる空間になったのではないだろうか。
桜並木にある西側面の立面をみると小さな窓が幾つかあるが、もう少し桜並木を積極的に取り込んでもよかったのではないだろうか。
・前回の模型提出の時に指摘されたことを、翌週の図面提出までの期間で検討して改善して欲しかった。
・図面は上手に描けていていてわかりやすい。
・パースなどに人を入れるなどしてお店の賑わいなど表現した方が良い。
・第一案から変わることなくきたが、北側に対してやコアと水廻りの関係など再検討しても良かったのではないだろうか。
・お店の看板も考えた方が良かった。
・立面図において建物の曲面の表現ができていない。
・課題1では、「普通の家」と題し、特殊なことをすることがデザインだという誤解を持たぬよう注視したが、課題2では、むしろ特徴のあるものを挑戦して設計してもらいたかったが、この案も少しおとなしく外部に対して消極的な感じを受けた。

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西端暁 ”nishihata邸” (敷地B)

住宅に+αとして自分の設計事務所を計画。4階建て鉄骨造。建物中央に中庭を配し、南側は公園の先にある海に対して積極的に開口部を設けて光と海の景色を取り込み、西側はサクラ並木の景色を取り入れるために開口部やテラスを設けている。(参考:前回の模型提出+レヴュー)

・密度の高い計画をしている。道路に面した西・南側とは違い、北側と東側は隣接する建物との関係で比較的暗くなりがちだが、そこをあきらめずに工夫して過ごしやすいスペースや光に満たされた空間を目標にし、その目標に対してどうしたらよいのかよく思考されているのがわかる案。図面でみるとダイヤグラムっぽく室があるだけに見えてしまうかもしれないが、テラスがあったり、水盤に面してヴォイドがあったり、そのむこうにある窓に建物が映りこんだりしながら、様々な光や風景が生き生きとして建物の中で展開している。
・模型写真の表現がわかりづらい。各室からのシーンの写真がそれぞれあるとシークエンスがみえてくるし、建物全体を理解しやすかったのではないだろうか。
・平面図において、外部であるテラスなどにテクチュチュアを入れてあげるだけで、内部と外部の入りくんだ様子がより一層わかりやすくなる。
・H鋼のラーメンで南北方向にブレースが入る案だが、先週からのプランニングの変更により、1階のX1、Y2-3間の重要なブレースがなくなってしまった。
・立面図において、壁と開口、窓の違いがわかりづらい。ブレースがある所はきちんと表記すること。また、断面図での地中梁の表現が違う。
・1階事務所エントランスは、南側道路からのアプローチではなく、中庭のみえる東側からにして、道路からは事務所の様子がよく見えるようなプランニングでもありえたのではないだろうか。
・ブレースが必要だからといってそこを壁で塞いでしまうのではなく、構造的なエレメントと外壁の仕上げとを区別して考えることはできる。ブレースを露出させて開口部にすることもできる。
・全員に共通していえるが、外部と内部を描きわけることでやりたいことがもっとわかりやすくなる。するとこの案も南北方向だけでない十字にクロスしてプランニングされているのがみえてくる。
・公園や海などとの関係など言葉ではいろいろと言うが、図面で表現しきれていない。
・面白い空間ができているとは思うが、足し算ではなく引き算的にもう少し整理した方が良い。

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